和紙の原料となる代表的な植物の紹介です。日本古来から使われているこれらの木の皮は靭皮繊維と呼ばれています。木それぞれに優れた特徴があり、薄くて強い『和紙』をつくりあげるのに不可欠な原料です。

名前 雁皮 三椏 麻(マニラ麻)
科名 ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ科 バショウ科
丸あ製紙所 雁皮 丸あ製紙所 三椏 丸あ製紙所 麻
説明 落葉低木で、成木は2m余りにもなる。収穫時期は春から秋にかけてだが、生育が遅く栽培が難しいので自生しているものを生剥ぎにして収穫している。
奈良時代頃から原料として使われている。
日本特産の植物。
落葉低木で、成木は2mあまりにもな
る。枝分かれの状態が三つ又になっており、名前の由来もそこからきていると言われている。収穫時期は冬から春にかけてで、約3年周期で収穫ができる。日本固有の製紙原料で、重要視されるようになったのは明治初頭に印刷局が使用するようになってら。
印刷適正に優れているため、世界一の品質を誇る日本紙幣の原料としても使用されている。
多年草で、フィリピンが主な産地。
紙づくりが日本に入ってきた頃はアサ
を主原料として紙をすいていた。
価格が安いのが利点。
繊維特徴 細く短く、光沢がある 柔軟で細く、光沢がある 長く、強靭
使用例 箔打ち紙・間似合紙・襖紙・版画用紙 紙幣・証券用紙・写経用紙
かな用書道半紙
機能紙
名前 イネ ケナフ たけ
科名 イネ科 アオイ科 イネ科
丸あ製紙所 稲わら 丸あ製紙所 ケナフ
説明 一年草で、元は中国で製紙原料として使われ始め、後に日本に入ってきた。補助原料として使用される。 1年草で、成長すると3,4mにもなる。
東南アジアや中国、アフリカ、南米などで栽培されている。成長が早く、非木材繊維として注目されている。又、二酸化炭素をたくさん吸収するため温暖化防止植物としても注目されている。
中国で製紙原料として使われ始め、日本に入ってきた。使用される種類はマダケ、ハチク。原料処理に時間がかかるのが難点。
繊維特徴 細い 短く、細い 太く、短い
使用例 書画用紙 書画用紙 書画用紙
名前 トロロアオイ
科名 クワ科 アオイ科
丸あ製紙所 楮 丸あ製紙所 トロロアオイ 丸あ製紙所 トロロアオイの根
説明 落葉低木で、成木は3m余りになる。栽培が容易で毎年収穫できる。日本で最も多く使われている和紙の原料である。 1年草で、成長すると2mにもなる。
夏から秋にかけて薄い黄色の大輪の花を咲かせる。
根から取れる粘液は製紙原料の繊維を水中に1本1本むらなく分散させるのに必要な『ねり』として使われる。
繊維特徴 太く長く、強靭
使用例 障子紙・表具用紙・奉書紙・傘紙